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言葉の体液 寄生と脱皮

芸風書院刊・「筧槇二詩集」を読んだ。日本現代詩人叢書。

筧槇二は昭和―平成期の神奈川県出身の詩人・俳人。カケイシンジと読むらしい。俳人としては渡辺四夢として活動し、本名は渡辺真次さんとのこと。珍しくwikiがあって著書も多い。ふむ。

・・・んなとこで目に留まった部分を抜粋。

「蝉を飼っている娘がいた

蝉は唖であった

蝉は羽音をたてることもなく

複眼を光らせながら いつも

娘の指から血を吸った

甘い時間は

いくばくか

いくばくかの生き甲斐を蝉にあたえ

蝉はやがて全身を朱に染めて死んだ

娘は蝉の羽を丹念に抜きとって

蝉の吸いのこした指の血を吸った

娘もまた唖であった」

(p8、「寄生」)

以上〜。なんか面白かった。